
掛川自動車学校の構成について
自分だけが正しいと思うことをするのは損、というふうに考えることが非常に多い。
そのことによって結局だれも得をしない。
正しいと思うことをみんなでやれば、みんなが利益を得るはずなのに、である。
しかし、自分だけが正しいことをすることになってしまって自分だけが損をするのがいやだ、とそれぞれが思って、だれもが正しいと思うことをやらないようになってしまう。
そのことによってみんなが不利益を被っているという事態は、人間の世界では比較的よく起こることこのやりとりの習慣をみんなで共有するのが「気楽にまじめな話をする場」の意味なのである。
ではどうすればこういう問題を解決できるのか。
他人同士でも、阪神大震災のときのように一つの大地震の被害者という問題をみんなで共有している、という認識が生まれるときは、このような問題は起こりにくい。
こういう問題は、お互いがお互いの考えていることがわからなくなって、疑心暗疑に陥ることで生じる。
気心が知れていない他人同士が集まったときにこういうことが生じやすい。
問題は同じ組織で仕事をしていて、本来は何を考えているのかわかっていて当然の人間同士でも、そうだ。
こういうことが起きていることである。
会社のなかでも、正直者が馬鹿を見る、言い出しっぺは損をする、という雰囲気が根底に流れているようなことは多い。
経営に対する信頼感がなくなり、社員が後ろ向きになっている会社はたいていそうだ。
こういう会社ではお互い同士が何を考えているのか、近くで働いているわりにはわかる機会があるだろう。
基礎としての仕事に対する基本姿勢Tが初期の頃の自主研で社員の仕事に対する基本姿勢を鍛え上げてきたように、「気楽にまじめな話」をきちんとした条件のもとで上手に活用することで、常に「何が本当の問題なのか」「まずはやってみよう」、というような前向きの姿勢を社員に浸透させることは可能である。
「気楽にまじめな話をする場」というのは、お互いがどういうことを考えているのかがわかる場でもある。
本当に自分は何を考えているのかということを共有することによって、正しいと思うことを一緒に実行できる環境をつくることができるのは、この「まじめに雑談をする」ことなのである。
だれが本当に協力をしてくれるのか。
当然、気楽にまじめな話をすることによって、この人はやっぱり協力をしてくれない人であるということがわかるケースもある。
だれが本当に協力をしてくれ、だれが本当は協力してくれないのかという情報を正確に持つことは、実際に正しいと思うことを実行できるかできないかというときに、非常に大事な情報になるわけである。
「気楽にまじめな話をする場」というのはそういう役割を担っている。
何事にもベースが肝心なのだ。
O氏は「作業改善をしながら設備改善をするように」ということを常に口にしていた。
一つの作業と次の作業がコンベアでつながれていたとき、コンベアの故障が多ければコンベア(設備)の改善をしよう、と普通だれでも考える。
しかし、それぞれの作業自体を先に改善することで、もし二つの作業の問に在庫は一個あればいい、ということになればコンベア自体が不要になる。
二つの作業間の連携に問題があり、その問題を吸収するために大量の在庫を必要とし、その在庫を移動するのにコンベアは必要だったのだ。
まずはベースをきちんとすることで問題が見えてくるのは何事も同じである。
人を育てる、というのも、最初から中核メンバーだけを抽出して英才教育をやる方法ではうまくいかない。
社員の多くが前向きの基本姿勢を違和感なく持てるようになって初めて、変革の中核リーダーも機能し始める。
経営に対する信頼感と仲間に対する信頼感が多くの社員に共有されることがまず先決なのだ。
では現実の問題として、会社のなかでみんなで前向きの姿勢を共有するべく「気楽にまじめな話」を実行するとすれば、どういう条件でやり、どのように実行していけばよいのだろうか。
比較的少ない人数の百名とか二百名とかぐらいの組織ならば、十五名ぐらいを一つの単位としてほぼ全員で「気楽にまじめな話」を実行するのがいい。
もっと人数の多い会社なら「手を挙げた人」を中心にやるといいのだが、いくつかのポイントがある。
まず、やる時期は少し後になってからでもよい。
トップ陣、すなわち役員間で気楽にまじめな議論の場を設けている会社は最近増えてきている。
年に一回とか数回程度のところが多いが、毎月、という会社もある。
いずれにせよ、ある程度、気楽にまじめな場をみんなで経験すると、通常の会議でも活発に意見が出るようになる。
完壁、というのはどこにもないが、以前よりもはるかに活発になってくるのだ。
役員会での議論は、通常は課題オリエンテッドな議論にどうしても終始しがちだ。
自分の立場を離れて経営という観点からみんなが活発に議論をすることはあって当然のように思えるのだが、実はまれな存在なのだ。
まじめな雑談をする、というのは経営という観点を経営トップ陣が共有していく第が必須の条件となる。
いのだが、トップ陣が自ら「気楽にまじめな話」を体験することが必要だ。
自分たちはやらずに下の人間にだけやれ、とすすめるのはやはり本末転倒である。
こういう姿勢のトップ陣がいる限り会社の体質は変わらない。
そしてトップ陣のなかから複数の積極的な推進者、つまり変革への「思い」があって変革を最優先に考え、自分自身を変え、周りに影響を与えていこうという人物が出てくるだろう。
最後は、一般職のなかで「手を挙げた人々」の「気楽にまじめな雑談」の場である。
人数が多いので全員に体験してもらうわけにはいかない場合も多いけれど、少なくとも手を挙げた人々には全員に体験してもらう。
次には、中間管理職のなかの「手を挙げた人々」を中心に「気楽にまじめな雑談」をしてもらえばいいだろう。
できれば中間管理職全員に体験してもらう。
このなかで積極的な推進者をできるだけたくさん顕験してもらう。
この気楽にまじめな話をする場、というのは問題意識を強く持った人々、つまりエネルギーのある人々を顕在化する場でもある。
こういう場をつくっていくプロセスのなかでエネルギーのある人々が顕在化し、この人々が自分の意志で次の展開を考え始める、つまり自走し始めるようになると変革はダイナミックに動き始める。
「気楽にまじめな話」を最初にやろうというとき、上から「やれ」と命令するのはなるべく避けるべきである。
とは言え自主性を重んじる、ということであまりに祷跨しすぎるのもまた問題だ。
緩やかな縛りで「ご招待する」くらいの感覚で、まず一度体験してもらうのがよいと思う。
こういうのを体験オフサイトと呼ぶことが多い。
研修の場などを利用させてもらうのだ。
招待すると嫌々ながらもとりあえず出てくる人がほとんどである。
そして嫌々出てきた人も、一泊二日で体験すると、ほとんどの場合少なくとも「悪くはない」に変化する。
もちろん積極的に推進しようとする人は少ない。
こういう気楽にまじめな話をする場は、一見非効率だから、その非効率さに納得できない人もいるからだ。
しかし、こういう話し合いをすることの必要性をもともと感じていた人は水を得た魚のようにいきいきと動き出す、というのもまた事実なのである。
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